農学博士 金内誠の部屋

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花を喫する

現在は、電照することで、年中楽しむこともできますが、秋の兆しが感じられる時期は、菊の花の季節であります。

また、9月9日は、重陽の節句です。
これは、菊の花が咲く季節なので菊の節句ともいわれる。現在でも皇室の園遊会(観菊御宴)が行われています。このとき、かつての宮中では菊の花びらを浮かべた菊酒を、飲んだといわれます。なんとも風流なものです。

菊の花ことばは、ずばり「高貴」なのです。そのためかどうかはわかりませんが、菊のご紋は、天皇家のご紋として使われています。

しかし、山形県では、その菊の花を食べる風習があります。その菊は、食用菊ではありますが、陛下のご紋を食べることから、「もってのほか」と呼ばれております。

ところで、山形県では、同じキク科の花のベニバナを県花としております。ベニバナは、エジプト原産で、日本にはシルクロードを経て4~5世紀ごろに伝わったとされています。花弁は染料や漢方薬、種は油用といわれています。現在では、特産品として、アイスクリームなどの食品へと応用されております。

ところが山形県米沢市の団体と宮城大学との共同研究により、ベニバナ焼酎を開発しました。(詳しくはこちら)

本来ベニバナは香りが強く、心地よい香りではありません。しかし、発酵させることで花の心地よい香気のみを残すことが可能でした。

このようは花弁を、お酒の原料とするものは、世界でも多くはありません。

宮中の菊の節句で飲まれる風流な菊酒に思いをはせ、ベニバナの花弁の焼酎を飲んでみてはいかがでしょうか?


大学の研修プログラムの引率で
ベトナムへ行く機会を得ました。

日本のNPO財団FIDRの方の案内で、学生たちと一緒に、政府の保護地域になっている少数民族のカトゥ族の村を訪れました。カトゥ族は、独自の言語や生活文化を持ち、お年寄りは、ベトナムの共通語である「ベトナム語」を話すことはできないそうですが、若者は、高校にも通っているそうです。また、普段、若者はバイクに乗って買い物に行くような生活を送っているそうです。

この村のツアーでは、民族衣装での踊りや伝統料理などを体験できました。

主食の米や副菜の野菜(菜っ葉)など、バランスのとれた健康に良さそうなものでした。調理器具を持たないためか、竹に米やイモを詰め、そのまま火にかけ、蒸し焼きにするそうです。

また、男の人は「タバックワイン」というヤシ酒を自作し、飲んでいて、一杯頂いたのですが、酸っぱくアルコールを感じませんでした。お酒研究で有名な菅間 誠之助先生によると、ヤシの樹液を発酵させ、4%アルコールを含んでいるとのこと。

発酵には、木の棒を入れて発酵を促進させるそうです。お酒は国や地域によって原料や製法が異なることが興味深いです。今回のベトナム旅行を通じ、酒の奥深さを改めて実感しました。


健康と飲酒

金内誠
公立大学法人 宮城大学
食産業学部 准教授
金内 誠

「ワインは最も美味しい薬であり、最も楽しい食品であり、最も価値ある飲料である」と古代ギリシャのヒポクラテスは讃えています。また、Good wine makes good blood.(良いぶどう酒は良い血を作る)とも語っています。

日本でも、「酒は百薬の長」などと言われています。これは、洋の東西を問わずに、適度な飲酒は、健康機能が増進する効果があると経験的に知っていたことが考えられます。

実際にアルコール飲料と健康との関係は、「Jカーブ」を描くといわれています。

これは、1993年にアメリカ合衆国保健科学協議会で「適量の飲酒をしている人の方は、全く飲酒をしない人や大量にお酒を飲む人に比べて、最も死亡率が低い」という疫学調査の結果によって示されたものです。

下の図には死亡リスクと飲酒量を示したJカーブのグラフを示しました。その結果、個人差や病歴などによってもことなりますが、疫学調査の結果では、最も死亡率が低くなる飲酒量である2~3単位とは、日本酒なら1日に1~2合、ビールなら1日大瓶1~2本といわれています。また、飲酒には、リラックス効果もあり、自殺率や心筋梗塞のリスクも下がるとも言われております。

このような科学的検証よりも、自分の好きなお酒を見つけて、楽しいひと時を過ごすことで、心も体も豊かになることでしょう。

米沢の豊かな環境で育まれた原料の米やブドウから、確かな技術で、醸造されたお酒を是非ご堪能ください。

Jカーブ

Jカーブのグラフ

ニュース

宮城大生が日本酒醸造!
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20150224-OYTNT50373.html
(読売新聞 地域ニュースに掲載されました)

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